ヤマトHD、富士通/荷主企業・物流事業者向け共同輸配送サービスを2月から開始
2025年01月27日 14:37 / 経営
ヤマトホールディングス傘下のSustainable Shared Transport(SST)と富士通は、2025年2月1日から、荷主企業・物流事業者向けの共同輸配送のオープンプラットフォームを活用したサービスを開始し、深刻なドライバー不足など、物流業界を取り巻く課題解決に取り組む。同時にSSTは、オープンプラットフォームを活用した共同輸配送サービス「SST便」の提供を開始する。
2024年5月21日に設立されたSSTは、現在、宮城県から福岡県間で1日16便の運行で、標準パレットスペース単位で利用できる「定時運行」「中継輸送」「混載」による幹線輸送を提供。「これまでヤマトグループのリソースで先行的にスタートさせており、2月以降はこれをそのまま受け継いで(SST便を)スタートさせる」(SST高野茂幸社長(高ははしごだか、以下同))という。さらに地域の物流事業者と連携し、利用荷主企業の要望に応じた「域内配送」も合わせて提供していく。
今後SSTは、対象地域やダイヤの拡充に加えて、トラック輸送だけでなく鉄道や船舶なども含めたマルチモーダルを推進し、2026年3月末を目途に80線便まで路線拡大を目指す。
<Sustainable Shared Transport(SST)高野茂幸社長>
2月から開始する共同輸配送のオープンプラットフォームは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第二期スマート物流サービス」プロジェクトにより策定された「物流情報標準ガイドライン」に準拠しているため、業種・企業間で定義の異なるデータの連携が容易になるのが特徴。これにより、荷主企業や物流事業者は運送手段やドライバー配置計画など輸配送に関する意思決定を迅速化できるとともに、物流効率化に向けた企業間の協力を促進する。
ヤマト運輸と富士通は、ともに内閣府(SIP)第二期スマート物流サービスプロジェクトに参画。ヤマトホールディングスの長尾裕社長は「この取り組みをSIPだけで終わらせてはいけない。いかに社会実装していくか、小さなプロジェクトからスタートしたものがようやくローンチしたところ。我々物流事業者だけでは前に進まないが、富士通さんとご一緒させていただくことで、商流データから標準化していくことができるのは、非常に有意義だと考えている」と今回の取り組みについて語った。
また富士通の時田隆仁社長は、「将来的には、このオープンプラットフォームを他業種のデータ連携の基盤と組み合わせて、より多くの社会課題の解決に貢献していきたい」とし、またサプライチェーン全体の最適化について、「荷主側の発想の転換や行動変容も必要。富士通は課題解決への貢献に加えて、荷主側の企業としてこの共同輸送サービスを活用し、荷主側として求められる対応を自らの行動変容をもって実践していく」と期待を語った。
システムには、富士通のオファリング「Fujitsu Unified Logistics」によるデータ基盤を活用。荷主企業の出荷計画や梱包の状態(荷姿)、荷物量などの情報と、物流事業者の運行計画をもとに、最適な輸配送計画を作成する。このため、荷主企業は共同輸配送のパートナーを自ら探すことなく、共同輸配送に取り組むことができる。
さらに同一区間でも複数の時間帯・複数の輸送手段の中から標準パレットスペース単位で最適な輸送方法を選択できるため、効率的な輸送の実現が可能になる。
富士通は、社会課題を起点とした事業モデル「Fujitsu Uvance」のもと、今後もSSTの事業を通じて、共に共同輸配送による運送・作業・保管に関わる手段・アセットの最大化を目指すフィジカルインターネットを実現していく。また、物流に関わるステークホルダーと協調し、複数分野のオープンプラットフォームと組み合わせ、業種・業界を横断した幅広い課題解決に貢献していくとしている。
最新ニュース
一覧- ビーイングHD/2024年問題に対応「時間外労働」年間900時間達成 (05月20日)
- MY MEDICA/総合医療情報サイト運営のギミックとパートナーシップ契約を締結 (05月20日)
- 日野/2025NEW環境展に、ごみ収集業界向けソリューションなど出展 (05月20日)
- 東邦車輛/6月1日より純正部品を10%値上げ (05月20日)
- ASF/軽EVバン購入者に電気代2年分をキャッシュバックする施策を実施 (05月20日)
- 三井住友海上/既設ドラレコをAI化し安全運転を促進する実証実験を開始 (05月20日)
- アジアンウエイ/トラックの駐車場が見つかるサービス「とことん駐車場」を開始 (05月20日)
- BYD/EVトラック国内導入に伴う人材募集サイトをオープン (05月20日)
- 交通事故統計/25年4月の事業用トラックによる死亡事故、前年より減少 (05月20日)
- ドライバー・配送/25年4月のパート・アルバイト全国平均時給20%増の1517円 (05月20日)
- AZ-COM丸和HD/2025~2028年度、中・大トラックに40億円など総額500億円投資 (05月20日)
- 遠州トラック/25年3月期「中継輸送」金額ベースで12.2%増 (05月20日)
- 遠州トラック 決算/25年3月期「輸送部門」営業収益3.6%増の360億円 (05月20日)
- ビーイングHD/「M&A推進室」新設、同業他社・IT・人材派遣企業など検討 (05月20日)
- ビーイングHD 決算/1~3月「物流事業」売上高9.1%増の73億円 (05月20日)
- 全ト協/ドライバーの睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査でチラシ作成 (05月20日)
- 諫早TS/5月26日~28日女性用シャワー、5月28日浴室休業 (05月20日)
- 京葉道路/幕張ICを夜間閉鎖、6月2日から (05月20日)
- 日東道・山形道/6月19日から順次、酒田中央IC~鶴岡西ICで夜間通行止め (05月20日)
- 中部運輸局/25年4月の行政処分、輸送施設の使用停止(100日車)など3社 (05月20日)