ゼロ/デジタルツール活用で作業時間を50分から15分に大幅削減
2025年04月21日 14:54 / 施設・機器・IT
ゼロは、車両輸送時の品質管理のデジタル化に取り組み、専用アプリ「mola(モーラ/正しくはlが筆記体)」の活用で効果を挙げている。
「mola」は40種類以上の紙情報をタブレットやスマートフォンで一元管理できる業務専用アプリ。業務をデジタル化することで、車両の状態を写真や画像で記録し、納車時の状況説明がこれまで以上に正確かつスムーズに行えるようになったという。
導入を開始したのは2023年だが、ドライバーおよび事務担当者一人あたりの作業時間は、従来の合計50分から15分へと大幅に削減。さらに、現場での情報を取り扱う事務担当者の年間作業時間も、合計1290時間から341時間への削減を目指している。
<「mola」。ダブレット版に始まり、現在ではスマホ版でも提供している>
「mola」の開発を担当した事業サポート本部DX戦略室の佐野室長は、「車両輸送の際には、お客様の車両のお預かり書が必要です。しかし、手書きによる紙運用では記入ミス、書類検索の時間、保管スペースの圧迫など、さまざまな課題がありました。そこで、2022年12月から『mola』の運用プロジェクトを始め、現場経験が豊富なメンバーを集め、各事業所のドライバー・営業担当者・管理担当者などの意見を重視して開発を進めました」と取り組みを語る。
ただ、導入に当たっては必ずしもスムーズとはいえず、苦労したという。従来から紙の書類によるアナログな業務に慣れ親しんでいたドライバーや事務担当者のなかには、新しいシステムへの抵抗感が強く、「使いづらい」「分かりにくい」といった声も少なくなかった。そこでDX戦略室のメンバー全員が協力し、全国の事業所を訪問してセミナーを開催。一人ひとりに対して丁寧にレクチャーを行い業務上の不明点があればすぐに対応できるよう、DX戦略室への直接の電話対応体制を整えるなど、手厚いサポートを実施したという。
その結果、現在では協力会社を含めて93拠点が導入、モバイル端末の配布台数は4000台超となり、全国での導入実施率は90.2%に達している。(事業サポート本部DX戦略室・間野課長)
<事業サポート本部DX戦略室の佐野室長(中央)、間野課長(左)とメンバー>
同社では、今後の取り組みについて、日報など未デジタル化業務の領域や、AIによる車両傷の自動判定機能の導入、バイク輸送業務への応用など、中古車を含めた全ての作業区分への展開により、工数削減・コスト削減を進め、さらなる可能性を追求。車両輸送業務に不可欠なインフラとしての地位を確立し、業界全体のデジタル変革を牽引する存在になることを目指している。
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