国土交通省/各地方運輸局「トラック・物流Gメン」東京集結、トラック事業者の「声」届ける
2025年10月29日 12:15 / 経営
国土交通省と公正取引委員会は10月28日、29日、「トラック・物流Gメンによる合同荷主パトロール」を実施した。
10月・11月を集中監視月間と位置付けて、適正な取引を阻害するおそれのある行為をしている荷主や元請事業者に対する監視を強化する一環。今回は、2026年1月の中小受託取引適正化法(改正下請法・取適法)の施行を前に、公正取引委員会が合同荷主パトロールに参加することで、連携をさらに強化した。
今回、全国の地方運輸局・沖縄総合事務局のトラック・物流Gメンが30名が東京に参集。実際にトラック事業者の「声」を聞いた各地方運輸局のトラック・物流Gメンが、東京の荷主等にその「声」を届ける活動として、東京における大規模な合同パトロールを実施した。
東京には、全国の大企業の44.2%が集中しており、地方に本社を持つ荷主の主要支店も数多く存在している。全国のトラック・物流Gメンは、各管轄地域において、恒常的な荷待ちや契約にない付帯作業、運賃の据え置など、違反原因行為に関わる情報を収集しているが、その源泉は東京に本拠、主要支店を持つ荷主の依頼によるものが多い。
合同パトロールでは、「一度に多くのポイント(荷主拠点)を捕捉できる機動力」。「荷主への緊張感を醸成し、説明を聞く体制をつくる集団効果」「特定エリアのトラック事業者・ドライバーを対象とした意趣返し、犯人探しを防ぐ、エリア匿名性の確保」といったメリットが期待できるという。
28日、29日と東京23区内に本拠・主要拠点を持つ荷主企業を訪問。「日本橋・八重洲エリア」「渋谷・恵比寿・目黒エリア」「水道橋・お茶の水エリア」「青海エリア」「大崎・浜松町エリア」「京浜エリア」「江東エリア」「赤坂・虎ノ門エリア」「新宿エリア」「港区・芝浦エリア」の10エリアを10班編成で巡回した。
パトロール対象荷主等は、「建設・土木」「鉄鋼」「小売」「食品・飲料」「機械・化成品等製造」「元請けトラック事業者」「その他物流事業者」など。
具体的には、直接または目安箱に寄せられたが、申告者の連絡先が不明など情報の精査ができない「声」を、一般的教示として、荷主等に周知。また、取適法施行前に、荷主等による違反原因行為の未然防止等の観点から公正取引委員会と連携した周知啓発活動を行った。
<合同荷主パトロールに向かうトラック・物流Gメン・Gメン調査員>

今回、トラックニュース編集部は、東北運輸局、北陸信越運輸局のトラック・物流Gメン、東京都トラック協会のGメン調査員による荷主パトロールに同行した。
水道橋・お茶の水エリアの食品メーカー本社、小売業本社を訪問し、資料を用いて、トラック・物流Gメンのパトロールの取り組み、恒常的に長い荷待ち時間、無理な到着時間の設定、過積載になるよう依頼など違反原因行為を説明。物流改正法については、物流の各主体の努力義務と主な取り組み内容や運送契約締結時に書面交付等が義務付けられること、実運送体制管理簿の作成などを解説した。
東北運輸局のトラック・物流Gメンは、「今回、いろいろなドライバーさんから聞いている話を大手の荷主さんに届けた。すべてが当てはまる訳ではないが、『運賃』『荷待ち』という話が多い。実際に、こういった声に応えてくれるか課題はあるが、誠意を持った対応をしていただくようにお伝えした」と述べた。
北陸信越運輸局のトラック・物流Gメンは、「東京に本社を構えるような大手企業は、法務部もあり法改正への認識も高い。ただ、どうしても地方の中小企業の荷主さんには、まだ理解が追い付いていない状況もある。そもそも知らないというこもある。東京の荷主さんはもちろんのこと、地方の中小企業にも理解が浸透するような活動をしていきたい」とコメントした。
東京都トラック協会のGメン調査員は、「今回、訪問したような大手企業は、しっかりと運送事業者のことも考えて法令遵守もしっかりできている。一方で、中小の荷主さんから仕事をもらっている運送事業者の声を聞くと、『書面の契約ができてない』『厳しい付帯業務がある』という声もある。国土交通省が行った今回の取り組みは大手を対象としているが、今後は、中小企業を含めた、こういったパトロールをやっていってほしい」と語った。
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