国土交通省の外部委託組織である事業用自動車事故調査委員会は12月10日、安全運転の重要性を啓発するマンガの第三弾を制作し、Webで公開した。
このマンガは、同委員会がこれまでに公表した調査報告書の事故事例を基に制作されたもので、交通事故防止や被害軽減を目的としている。
第三弾となる今回は、2023年5月に東北道(宮城県栗原市)で発生した大型トラックの衝突事故のほか、大型乗合バスの追突事故(浜松市浜北区、新東名高速道路)、タクシーの追突事故(大阪市淀川区、府道41号線)の事故事例をもとに制作。
・大型トラックの衝突事故(宮城県栗原市)調査報告書
<マンガイメージ>

読者が「自分ゴト」として事故を追体験し、安全運転の重要性を再確認するきっかけを作ることを狙いとしている。事故発生時の状況をフィクションとしてマンガのストーリーに落とし込み、読者に身近な視点で内容を伝える構成となっている。また、読みやすいマンガと解説ページの2部構成で制作しており、プロドライバーや運送事業者など幅広い層に安全意識を醸成することを目的としている。
運送事業者への啓発やドライバーの安全指導に活用されることを目指している。WEB上で公開されるほか、冊子として全国の関係機関に配布する予定だ。これにより、より多くの人々が手軽に内容を確認できる形となっている。
マンガのサイズはB5版、全40ページで全3話構成となっている。配布場所は事業用自動車運送事業の各協会や適性診断、指導講習の認定機関などである。また、WEB上では「事業用自動車事故調査委員会」の公式サイトで閲覧可能だ。
■閲覧サイト(https://www.itarda.or.jp/commercial_vehicle_accident)
事業用自動車事故調査委員会は平成26年に設立されて以来、重大事故の原因を分析し、再発防止策を提言する活動を続けている。同委員会が公表する制作物は、事故の責任を問うことを目的としたものではなく、事故防止と被害軽減に寄与することを目指している。交通事故の少ない社会の実現に向け、今後も活動を継続していく方針だ。
事業用自動車事故調査委員会/事故を5パターンに分類、再発防止策の傾向発表