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2023年06月02日 16:46 / 経営
欧州自動車工業会(ACEA)は5月23日、欧州委員会が提案している次期排出ガス規制「EURO(ユーロ)7」について、欧州員会の想定したコストより4~10倍も増加し、消費者と企業にさらなる経済的圧力をかけることになる、と批判した。
欧州における現在の排出ガス規制は、乗用車・バンの「ユーロ6」と、貨物車・バスの「ユーロVI」に分かれている。これに対し、22年11月に発表された「ユーロ7」では規制内容を大幅に強化するとともに、規制値は異なるものの乗用車・バンと貨物車・バスを一本化するのが大きな特徴となっている。適用開始は乗用車・バンが2025年7月、貨物車・バスは2027年7月からを予定している。
しかし、ACEAでは従来よりユーロ7導入の効果に疑問符を付けている。今回の発表では、さらにユーザーのコスト負担増についても強い危惧を示し、より明確に導入反対の姿勢を明らかにした。
ちなみに、ユーロ7導入による車両1台のコスト増加について、欧州委員会では乗用車とバンで180~450ユーロ(約2.7万円~6.7万円)、トラックとバスで2800ユーロ(約42万円)と推定している。
しかし、ACEAの独自調査では、その数倍のコスト増加になる。乗用車とバンでは1862~2629ユーロ(約28万円~40万円)、トラック/バスで11707ユーロ(約175万円)となり、ガソリン乗用車では欧州委員会の推定値の10倍、トラック/バスでも4倍増も高くなる。さらに、これらの推定値は設備と製造コストのみのため、ユーザーの実際の購入価格は、より高くなる可能性が高い。
<欧州自動車工業会によるコスト推定値>
また、車両そのもののコストに加え、燃料コストも増加する可能性が高い。車両の使用年数全体で3.5%増加することが予測され、長距離トラックでは2万ユーロ(約300万円)がプラスされるという。直接コストと合わせると、ユーザーの負担は500万円近くも増加することになる。
ACEAでは、現状のユーロ6/ユーロ6VIで既に高い環境性能を実現しており、高いコストを掛けてユーロ7を導入するのは正しくない、としている。
ユーロ7は欧州の産業保護という性格が強いが、肝心の欧州自動車メーカーからの不満も多い。日本をはじめ他地域への影響も大きいため、今後、どのように決着していくか注目されるところである。