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2023年10月11日 14:22 / 経営
東京商工リサーチは10月11日、2023年1-9月の道路貨物運送業の倒産は234件(前年同期比34.4%増)となり、3年連続で前年同期を上回ったと発表した。2014年以降の10年間では、2014年同期(238件)に次ぐ高水準。
負債総額も342億2700万円(前年同期比12.5%増)で、2年連続で前年同期を上回った。
<運送業者の倒産推移>
倒産件数の大幅な増加に加え、負債5億円以上10億円未満が14件(前年同期8件)、1億円以上5億円未満が88件(同58件)と増加したことで負債総額を押し上げた。ただし、10億円以上の大型倒産は1件(前年同期4件)にとどまっている。
資本金別では、1千万円未満が170件で構成比72.6%(前年同期56.3%)を占め、中小・零細企業の割合が高まった。
燃料費の高騰などによる「物価高」関連倒産は85件(前年同期比84.7%増)で、前年同期の1.8倍に増加。2023年9月末時点で軽油価格は1リットル160.1円と、2008年以来の160円台で推移し、高止まりの状況が続いている。「物価高」関連倒産は、2023年6月以降、10件以上で推移しており、燃料費の高騰が運送業者に大きな打撃を与え続けている。
「人手不足」関連倒産は、30件(同114.2%増)で前年から2.1倍に急増。集計を開始した2013年以降では最多件数となった。求人難が15件(前年同期4件)、人件費高騰が9件(同2件)とそれぞれ急増しており、深刻な人手不足と、人材確保のための賃金アップや時間外手当などの捻出に苦しむ企業の実態が浮き彫りとなっている。
ドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に規制されるまで半年を切った。政府は、外国人労働者の在留資格である「特定技能」への自動車運送業の追加や、輸送手段を鉄道やフェリーなどに転換する「モーダルシフト」を進める目標を掲げるなど、「2024年問題」に対応する施策の検討を進めている。しかし、ゼロゼロ融資の返済に加え、燃料費の高止まりや人手確保のための人件費上昇で、すでに経営が疲弊した企業は多い。業績回復が遅れ、資金繰りが限界を迎えた中小・零細企業を中心に倒産は増勢が続く可能性が高いとしている。