マクドナルド/ドライバー拘束時間削減「積込・運転・待機・荷下し」見える化

2023年12月01日 13:16 / 施設・機器・IT

日本マクドナルドは11月30日、物流の2024年問題に対する対策の一環として、配送を担うドライバーの拘束時間削減に取り組んでいることを、都内の本社で開催した「持続可能なサプライチェーン・ロジスティクス勉強会」で公表した。

<小野本部長>

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日本マクドナルドの配送業務を担う、HAVIサプライチェーン・ソリューションズ・ジャパンのカスタマーサクセス本部小野亮太郎本部長は、「現在、ドライバーの労働環境改善のため、定量的なアプローチと定性的なアプローチを行うことで、ドライバーの心に寄り添い、エンゲージメントを高める施策を行っている」とドライバーの労働環境改善の施策を解説した。

定量的なアプローチとして、荷主である日本マクドナルドの理解と協力の下、これまでの商慣習の見直しに着手した。納品時間枠を1時間から2時間に拡大し、納品方法の標準化を実施。庫内納品、車上渡しを標準とした。また、カート配送を活用することで、納品時間を削減。立ち合い検品、納品書も廃止した。

積込・運転・待機・荷下しの時間については、KPI(重要業績評価指標)と位置づけ、システムを活用して見える化を行った。動態管理をデジタル化することで、全ての配送ルートを見える化した。

具体的にドライバーが、どこの場所で時間がかかっているのかを見える化することで、改善が必要な業務や箇所を特定し、そこにアクションをかけるPDCAサイクルを回すことができるようになったという。

改善策として、従来はディストリビューションセンター(DC)センターでは、ドライバーが全て積込作業を行っていたが、積込時間を軽減するためにDC側で積込準備をし、できるだけ早く運転できる関係性を構築した。

立ち合い検品、納品書については、誤配送はほとんど発生しない現状を踏まえ、性善説に立ち、フランチャイズのオーナーの理解を得て廃止した。もし、納品商品に不具合があった場合は、24時間内に連絡を受ければ対応する体制を整えた。

定性的なアプローチでは、委託先のドライバーも含めて、ドライバーの永年勤続表彰制度を導入した。マクドナルドでは、店舗のクルーは勤続年数に応じてゴールデンアーチをかたどったバッチが進呈されるのに習い、ドライバーにも勤続年数に応じたバッチを進呈。バッチをきっかけに、納品時に会話することもあり、ドライバーと店舗クルーのコミュニケーションが改善されたという。

HAVIでは、ベストドライバーを表彰するほか、ドライバーアンケートを定期的に実施。その結果、友人に自分の勤める会社を勧めるか等、愛着を測る指標である「Net Promoter Score」(NPS)指標が良くなったとしている。

小野本部長は、「ドライバーの労働環境改善では、拘束時間に着目する必要がある。性善説に立ち、これまでの商慣習を変えることで、ドライバーの負担は着実に低減している。定性的なアプローチもしながら、労働環境を変えることで、もっとNPS指標を改善することができる」と語った。

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