コマツ/ナトリウムイオン電池搭載フォークリフトの実証実験を開始

2024年03月07日 13:16 / 車両・用品

コマツは3月7日、ナトリウムイオンバッテリーを搭載した電動式フォークリフトの実証実験を3月から開始すると発表した。

<ナトリウムイオンバッテリーを搭載した電動式フォークリフトのコンセプトマシン>

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ナトリウムイオンバッテリーの搭載はコマツとして初、またフォークリフトへの搭載は世界でも先駆的な取り組みとなる。

ナトリウムイオンバッテリーは、リチウムイオンバッテリーと同じく、充放電可能な二次電池。希少なリチウムの代わりに資源量が豊富なナトリウムを使い、コバルトなどのレアメタルも不要なことから資源不足の心配がなく、近年注目を集めているバッテリー。

電池としての特性としては、リチウムイオンバッテリーよりもエネルギー密度が低いものの、低温から高温まで使用温度範囲が広く、急速充電の速度が速いのが特徴。また低コスト化やリチウムイオンバッテリーより重量が重くなることから、大型電池に適している。

今回コマツが開発したのは、1.5トンクラスの電動式フォークリフトに、Shanghai Hirano Environment Technology(中国)が開発したナトリウムイオンバッテリーパックを搭載したコンセプトマシン。

このナトリウムイオンバッテリーパックには、Jiangsu Highstar Battery Manufacturing(江蘇高スターバッテリー製造有限公司)のナトリウムイオンバッテリーセルが使用されているという。

コマツは、通常の鉛バッテリーやリチウムイオンバッテリー搭載フォークリフトを展開し、電動化を進めているが、低稼働・軽負荷の現場ではイニシャルコストの高さなどからエンジン式フォークリフトが選択されることも多い。

ナトリウムイオンバッテリー搭載フォークリフトは、この低稼働・軽負荷の現場に適したものとして開発したもの。

エネルギー密度は低いが、急速充電が速く、頻繁に充電することで連続稼働が可能というナトリウムイオンバッテリーの特性は、低稼働・軽負荷の現場に最適といえるだろう。

またサイクル寿命(充放電を繰り返せる回数)が長いため、バッテリー交換が必要になるまでの時間を長くとることができ、ランニングコストの低減が期待できることに加え、バッテリーそのものも安定供給が期待できるため、将来的なコスト低減が見込めることも利点としている。

コマツでは、今回の実証実験で、新しいバッテリーの性能や特性を踏まえた最適な使用方法を検証し、量産化を目指すとしている。

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