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2024年06月07日 17:10 / 施設・機器・IT
三菱地所、仙台市、仙台市郡山北目土地区画整理組合設立準備委員会の三者は6月7日、高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」の開発計画実現に向けた連携に関する覚書を締結した。
<宮城県仙台市太白区郡山北目地区 高速道路IC直結型次世代基幹物流施設(完成予想イメージ)>
この計画は、レベル4自動運転トラック等の次世代モビリティの受け入れ可能な次世代型の物流施設を整備するもの。三菱地所では自動運転トラックに対応した物流ネットワーク構築として、22年から京都府城陽市で開発を進めており、今回の計画はこれに続くもの。三菱地所は今後「関東・中京・近畿を結ぶ東海道と、東北・中国・九州など、日本の幹線輸送を担う結節点に同様の施設を開設していきたい」(中島篤社長)としている。
完成は2030年代前半を予定。仙台駅より約6.3km、国道4号・東北道・仙台東部道路に接続する仙台南部道路の結節点「長町IC」に直結する物流施設として開発する。高速道路ICに直結した専用ランプウェイを設けることで、自動運転トラックや後続車無人隊列走行などの次世代モビリティが、高速道路から一般道に下りることなく物流施設を利用可能な施設整備を目指す。雇用は2800人程度を試算している。
施設内にはダブル連結トラック、隊列走行トラック、自動運転トラックの連結・解除スペース「モビリティプール」や、自動運転トラックと有人トラックの荷物の受け渡しを行う「クロスドックフロア」などを設置。さらに、レベル4自動運転トラックが建物内まで運行できるようにするという(建物内運行における特有技術につき特許出願済)。運営面ではAI等の最新テクノロジーを活用した施設運営面の自動化・省人化を図る。
これにより、物流業界の人手不足解消や配送効率の高い物流ネットワーク構築を図るほか、国が2040年までに実現を目指す「フィジカルインターネット」実現にも寄与していくとしている。
締結式に出席した仙台市の郡和子市長は、今回の計画について「100万都市である仙台市は物流ニーズも多い。自動運転やAIを活用して細かくニーズに応えていただける施設になると思う」と述べ、さらに「仙台市のみならず、東北地方全体の経済の活性化にも寄与するものと理解している」と期待を語った。
三菱地所は昨年6月にレベル4自動運転トラックによる幹線輸送を目指すT2(東京都千代田区)と資本業務提携を締結。T2のレベル4自動運転トラックによる幹線輸送と三菱地所が開発する次世代基幹物流施設を融合させ、自動化・省人化を推進するほか、効率的な輸配送による環境負荷低減を図る。
■計画概要
所在地:宮城県仙台市太白区郡山北目地区
アクセス:仙台駅より車で17分(約6.3km)、常磐道(仙台若林JCT)まで車で3分(約3.5km)、東北道(仙台南IC)まで車で14分(約11.2km)
敷地面積:約11万m2(約3万3500坪)
延床面積:約27万3000m2(約8万2600坪)
用途:マルチテナント型物流施設
事業主:三菱地所株式会社
竣工:2030年代前半(予定)