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2024年08月30日 12:56 / 施設・機器・IT
花王は、2024年7月に豊橋工場の次世代倉庫内の現場環境で、日本で初めて「自動運転フォークリフトによるトラックへの積み込み作業の実用化」に成功したと発表した。
この取り組みは、豊田自動織機との協働により実現したもの。2024年10月には本格導入し、日常的に稼働を始める。
豊橋工場は、ヘアケア・スキンケアなど少量多品種の製品を生産している工場で、2023年3月に次世代倉庫が完成、製品の入庫、仕分け、出庫までを自動化することにより、柔軟な物流体制への対応を進めている。しかし、出庫後のトラックへの積み込み作業は、荷物やトラックの都度異なる規格への対応や停止位置の誤差調整、長距離輸送に耐えられる荷崩れ防止の養生も必要なことから、人の経験を活かしたフォークリフト運転技術が必要となっていた。
このため花王では、積み込み作業の自動化に向けて、2021年より豊田自動織機と協働を開始。3D-LiDARを用いたトラック位置検出、ガイドレスでの自動運転に加え、AIを搭載した豊田自動織機の「トラック荷役対応自動運転フォークリフト」を採用した。AIの搭載により、画像認識・ディープラーニングによるマーカーレスでのパレット位置・姿勢検出ができ、荷役位置を自動で判断しながらトラックまでのアプローチ走行経路を自動生成するため、トラックの停車位置や積荷の姿勢が一定でない状況下においても荷役の自動化を可能としている。
一方、花王では、自動化を実現するロボットフレンドリーな倉庫環境の構築と、製品入庫からトラックへの積み込みまでをスムーズに自動化するオペレーション設計を実施。さらに、トラック輸送にも対応した業務プロセスの構築や倉庫内の設備を制御するITシステム(WCS)とも連携。豊田自動織機の技術をもとに、花王の次世代倉庫の環境にいち早く導入するための仕様検討を両社で行ったことで、今回の実用化に至ったとしている。
今回の実用化成功は、試験環境ではなく、現場での実際のオーダー・輸送を伴う導入としては国内初。実用化に成功した自動運転フォークリフトは10月に本格導入し、これにより製品入庫からトラックへの積み込みまで完全自動化された倉庫が実現する。
生産工場から次世代倉庫内への製品入庫から出庫までに加え、トラックへの積み込み作業までを自動化することにより、今後の業務効率化や労働力不足への対応に貢献する。さらに今後は、次世代倉庫のみならず、国内外の花王グループの生産・物流拠点への導入も検討していく。