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2023年06月14日 16:39 / 業績
帝国データバンク(TDB)は6月14日、24年中の統合を目指す、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスのサプライチェーン企業の状況を発表した。これはTDBが保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」をもとに、日野自動車および三菱ふそうTBの各社に対し、部品などのモノ・サービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴や取引規模を2022年時点のデータを基準に推計したもの。
2社を合計したサプライチェーンは9774社となり、年間売上高は1兆4260億円となるが、今後、2社の統合にどのように影響するか、注目される。
<日野+三菱ふそうのサプライチェーン>
まず日野自動車向け取引が売上の1%以上を占めるサプライチェーン企業は、国内5525社。サプライチェーン企業にもたらす売上高(頂点企業である日野自動車に由来する売上依存額)合計は推計9849億円。
<日野自動車のサプライチェーン>
一次取引先(Tier1)企業は682社あり、自社売上高への依存度の平均は12.4%、もたらす売上高は7291億円と全体の74.0%を占める。社数が最も多いのは二次取引先(Tier2)で3485社。平均依存度は4.3%と下がり、もたらす売上高は2404億円とTier1の3分の1程度となる。なお、三菱ふそうTBのサプライチェーンにも属する企業は1251社。地域別では「関東」(2273社、構成比43.9%)、「中部」(1426社)、「近畿」(578社)となり、関東の企業が多い。売上規模別では、「1億~5億円未満」(1965社、構成比38.3%)が最も多い。
<日野サプライチェーン 地域・売り上げ規模別>
一方、三菱ふそうTBのサプライチェーン企業は、国内4249社。サプライチェーン企業にもたらす売上高合計は推計4411億円。一次取引先(Tier1)企業は1438社あり、自社売上高への依存度の平均は12.5%、もたらす売上高は3514億円と全体の79.7%を占める。二次取引先(Tier2)は2278社あり、平均依存度は4.2%で、もたらす売上高は842億円。日野自動車と比べTier1の社数が多いのが特徴となっている。地域別では「関東」(1771社、構成比44.3%)が最も多く、次いで「中部」(617社)、「近畿」(413社)。日野自動車と比べると、「北海道」「中国」「九州」といった地方圏にサプライチェーン企業が多い。売上規模別では、日野自動車と同様に「1億~5億円未満」(1735社、構成比44.2%)が最も多かった。
<三菱ふそうTBのサプライチェーン>
<三菱ふそうTBサプライチェーン 地域・売り上げ規模別>
サプライチェーン企業の業況及び収益性では、業況(売上)では、「大幅増加」傾向の企業の割合が日野自動車(構成比0.9%)、三菱ふそうTB(同0.4%)ともに1%を割り込み、国内全企業(同2.2%)と比べて低い。また、「減少」傾向の企業は、日野自動車のサプライチェーン企業で構成比7.1%となり、三菱ふそうTBや国内全企業と比較してもやや高い。収益性(利益)では、両社ともに国内全企業と概ね傾向が同じだが、「悪いが改善可能」の割合が17.8%と若干高い。エンジン認証問題のあった日野自動車のサプライチェーン企業は業況、収益性ともに若干苦戦を強いられていることが分かったとしている。
<サプライチェーン企業の業況・収益性>
サプライチェーン企業の後継者の状況については、日野自動車、三菱ふそうTBともに後継者「あり」が「不在」を上回っており、国内全企業の後継者決定率42.8%を総じて10ポイント近く上回っている。それでも、約半数は後継者が決まっておらず、事業継続には一定の憂慮もある、としている。
<サプライチェーン企業の後継者決定状況>