丸和運輸機関など/リースアップ車両をEV化し、運用課題を検証
2024年02月28日 17:34 / 施設・機器・IT
みずほリース、みずほオートリース、丸和運輸機関、FOMM(フォム)の4社は2月28日、リース期間が満了したガソリン車を活用したコンバージョンEVによる実証事業を開始したと発表した。
<コンバージョンEVと納車式の様子>

この取り組みは、ラストワンマイル輸送の事業においてEVシフトを可能にするサービスの実現に向けて、各社が知見を持ち寄り連携して行うもの。軽EV貨物車は航続距離等の市場要件を満たす新型車が増加しているが、初期投資負担や充電時間等の運用面には課題が存在しており、また車両のライフサイクル全体でのCO2排出量という点でも課題が残る。
今回の実証では、リースアップしたガソリン車をEVに改造することで、新車を製造しないことによりCO2排出量を抑制すると同時に、初期負担の軽減も図られる。
具体的には、リース期間が満了した軽1BOXのスズキ「エブリイ」1台をFOMMがEVに改造。丸和運輸機関が東京23区内にある事業所で今後1年間運用し、さまざまな条件下で運用課題を検証していく。
またこの実証事業では、EVコンバージョン(レトロフィット)とともに、充電時間の効率的運用の観点からバッテリーのカセット型交換式を採用することで、ラストマイル輸送におけるEVの運用課題と対応を検証していくとしている。
丸和運輸機関 岩﨑哲律取締役常務執行役員は、今回の取り組みについて「当社は、環境に対する積極的な取り組みを進めて企業としての社会的責任を果たしたいと考えている。持続可能な未来を築くために当社グループのSDGsの施策の一つ『町にひとにやさしい会社へ』でエネルギー使用量の低減/再生エネルギーの導入を掲げ、その一環として当実証事業を運用する企業として経済的、環境的に貢献していきたい」とコメント。
また車両を製作したFOMM 鶴巻日出夫代表は「モビリティ・メーカーとして自社の強みである独創的な車両設計技術を活かし、モビリティをコアとした脱炭素化に日々取り組んでいる。オリジナルEVの生産だけでなく、従来のガソリン車をバッテリー交換式EVにアップサイクルする技術を一般化することで、より効果的な地球環境保全への貢献を目指していく」と意気込む。
FOMMは、独自技術を応用し、環境省による2022年度委託事業でガソリン軽自動車を「バッテリー交換式EV」へコンバートする技術を開発。タイの子会社を通じてオリジナル小型EV「FOMM ONE」を量産し、日本国内でも販売を開始している。
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