NEXCO/高速道路の大型車駐車マス、24年度は約560台を拡充予定

2024年04月02日 17:00 / 交通

東日本、中日本、西日本のNEXCO3社は4月2日、高速道路の休憩施設における大型車駐車マス拡充について、2023年度の拡充実績と2024年度の拡充予定を発表した。

<2023年度の駐車マス拡充実績 および 2024年度駐車マス拡充予定>

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2023年度は既存エリア内での小型車マスから大型車マスへの描き換えなどにより、全国49カ所のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)において、大型車マス約630台の拡充が完了した。

主な事例として、東北道・那須高原SA(下り)では、平日は大型車が、休日は普通車の利用が多い実態を踏まえ、普通車・大型車兼用駐車マスを増設するなどし、限られた駐車スペースを最大限有効活用することで、大型車の駐車可能台数を67台増設し、大型車駐車エリアの混雑を緩和した。

<東北道 那須高原SA(下り)の事例>

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また新東名・清水PA(上り)では、既存の敷地を有効活用し、駐車エリアを拡幅するとともに、大型車駐車マスのV字型駐車レイアウトを採用することにより、大型車の駐車可能台数を91台増設、さらにトレーラーの利用が多い実態を踏まえ、トレーラーの駐車可能なマスを増設した。

<新東名・清水PA(上り)の事例>

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この他、2019年1月に特殊車両通行の許可基準が緩和され、本格運用が開始された「ダブル連結トラック」については、2019年8月に運行区間が東北道から九州道まで拡大されて以降、ダブル連結トラック特殊車両通行の許可台数は増加。2022年11月には、物流事業者のニーズ等を踏まえ、通行区間が約2050kmから約5140kmに拡大されたことから、NEXCO3会社ではダブル連結トラックの休憩機会確保のため、駐車マスの整備を進め、2023年度は45台分を追加整備を行った。

また、ダブル連結トラック専用の予約駐車マスについても、NEXCO中日本では新東名・浜松いなさIC路外のダブル連結トラック専用の予約駐車場に加え、東名・足柄SA(上り)、新東名・静岡SA(上下)、新名神・土山SA(上下)にダブル連結トラック専用の予約駐車マスを整備し、2021年4月から順次運用中。東名・豊橋PA(下り)においても、予約駐車マスのうち一部区画をダブル連結トラック/特大車兼用の予約駐車マスとして運用している。またNEXCO東日本では東北道・那須高原SA(上り)に予約駐車マスを整備し、2024年3月19日より運用を開始している。

<予約駐車マス位置図>

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また、SA・PAにおける利便性向上の取組みとして、大型車駐車マスの拡充に加え、大型車ドライバーのより確実な休憩機会の確保を目的に、11カ所の休憩施設において、大型車駐車マスの一部を60分以内の駐車とする「短時間限定駐車マス」として整備し運用する実証実験を、2023年11月から実施中。この実証実験は、長時間駐車車両の存在により、駐車ができずにSA・PAを出ていく大型車が多い休憩施設に、「短時間限定駐車マス」を整備することで、休憩機会の変化や、周辺休憩施設を含めた混雑状況、効果的な整備位置などを検証するもの。今後は、現在の実証実験の状況を踏まえ、試行箇所数・駐車マス数を拡大する計画としている。

<短時間限定駐車マスの実証実験>

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2024年度は、全国34カ所のSA・PAにおいて約560台の大型車駐車マスの拡充を進める予定。拡充にあたっては、マスの変更だけでなく大規模な土工工事や照明・満空情報板といった既存施設の移設などを伴う工事も予定している。

■2024年度の駐車マスの拡充数(計画)

NEXCO3会社では、高速道路の休憩施設駐車場について、2018年度から継続して駐車マスの拡充・レイアウト変更を進め、これまでに約3700台分の大型車駐車マスを増設してきた。しかし、近年のEC(個人間の電子商取引)市場の拡大やニーズの多様化、多頻度・小規模運送の増加等により高速道路の物流輸送量が増加していることから、平日夜間の大型車駐車エリアを中心とした混雑が顕在化する状況となっている。

一方で、休憩施設の敷地は限られており、駐車マスの増設やレイアウト変更による対策には限界がある。そのため、日本高速道路保有・債務返済機構、NEXCO3会社およびJB本四高速が設置した有識者検討会においてとりまとめた整備方針を踏まえ、駐車マスの拡充に加え、今後は、休憩施設以外の高速道路事業用地などを活用した大型車専用駐車場の設置や駐車マスの立体構造化、複数縦列式(コラム式)駐車場の導入を進めていくとしている。

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