国交省/連続するタイヤ脱落事故に適切な作業実施を要請
2023年12月04日 14:50 / 施設・機器・IT
国土交通省は12月1日、大型車のタイヤ脱落事故が続いているところから、全日本トラック協会に対して適切な冬用タイヤ交換作業の実施を要請した。
12月1日には、青森県八戸自動車道下り線で走行中の大型トラックの左後輪のタイヤが脱落し、道路保全工事の作業員に衝突、死亡した事故が発生。また11月30日には島根県の国道で大型トラックから脱落したタイヤが歩行者に衝突し、重傷を負わせる事故が発生している。
国交省のまとめによると、2022年度に発生した大型車(車両総重量8トン以上の自動車または乗車定員30人以上の自動車)の車輪脱落事故は140件で、前年度の123件より17件増加。このうち大型バスの事故は2件と非常に少なく、138件が大型トラックによるもの。
月別では12月をピークに冬期に集中。また使用の本拠の位置別では北海道・東北・北信に集中していることから、不確実な冬用タイヤ交換作業と作業後の点検不足が大きな要因となっているといえる。
<車輪脱落事故の月別発生件数>
<使用の本拠の位置別発生割合>
ちなみに大型車の車輪脱落事故の発生件数推移を見ると、2011年度まで減少が続いているが、その後は上昇に転じ、かつ件数も大幅に増加している。大型車のホイール規格は2010年から新ISO方式に切り替わったが、そこから増加しているのが実情だ。大型車は長く使われる車両も多いため、従来のJIS方式、ISO方式の車両もまだ多く残っており、市場に3種類の規格が存在していることも、整備ミスが生じる一因といえるだろう。
<年度別・大型車の車輪脱落事故の発生件数>
また新ISO方式では、負荷のかかりやすい左タイヤのナットを右回しで締めるため、走行中ナットが緩む方向で力が掛かることも、脱落事故の増加に影響しているともいわれている。実際、昨年度の脱落事故140件のうち、94%となる132件が左後輪に集中している。
<車輪脱落箇所別発生件数>
なお脱落事故のうち、約半数は使用者がタイヤ脱着作業を実施したもの。しかしタイヤ専業店が25%、自動車整備事業者は18%を占めており、必ずしも専門業者に任せれば確実に防止できるというものでもない。タイヤ脱着作業後の増し締め不足が事故の大きな要因となったケースも多く、車両使用者による日常の点検が最大の事故防止策といえる。
<タイヤ脱着作業実施者別発生件数>
国交省では、事業用自動車における輸送の安全確保は、自動車運送事業者の最大の使命であり、とりわけ大型車の車輪脱落事故は重大事故につながることから、未然防止に係る安全対策を徹底することが最も重要としている。
大型車のタイヤ脱着作業時においては、「自動車の点検及び整備に関する手引き」、「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を確認の上、啓発チラシやタイヤ脱着作業管理表を活用し、確実に実施すること、また運行にあたっては、車両の点検整備を確実に実施するよう関係者に徹底することを呼び掛けている。
最新ニュース
一覧- 三菱オートリース、十六リース/CO2排出量を実質ゼロにするオートリースを開始 (12月15日)
- TBK/インド大手ブレーキメーカーと資本業務提携、次世代モビリティ開発を推進 (12月15日)
- ヤマトマルチチャーター/ドライバーの健康管理を強化、「Nobi for Driver」を本格導入 (12月15日)
- ハコベル/「トラック簿」がJVCケンウッドと連携、自動誘導・無人受付を実現 (12月15日)
- ドコマップジャパン/docomapPLUSがSEIKOISTのアルコール検知器「XENSE-83BTW」に対応 (12月15日)
- CRAFTWORKS/エブリイ専用LEDコンソールボックスを発売 (12月15日)
- スカニア/鉱山向けの新型EV8×4ダンプトラックをスウェーデン企業に導入 (12月15日)
- 東京港/大井3・4号ターミナルでCONPASを活用したコンテナ搬出入予約制の常時運用を開始 (12月15日)
- 公正取引委員会/日本通運の価格転嫁円滑化の取り組みを紹介 (12月15日)
- 輸入トラック/25年11月の輸入台数、スカニア50台で単月・累計でボルボを逆転 (12月15日)
- 国道159号/「羽咋道路」開通、現道区間を国交省から石川県・羽咋市へ移管 (12月15日)
- 北海道開発局/悪天候により、10路線・24区間を通行止め(15日16時) (12月15日)
- NEXCO東日本/北海道内の大雪による通行止め、15時40分ですべて解除 (12月15日)
- 室蘭開発建設部/国道236号 雪崩の恐れと吹雪で通行止め(15日15時) (12月15日)
- 道東道/十勝清水IC~音更帯広IC14時、音更帯広IC~本別IC・足寄IC夕方に通行止め解除予定(15日12時) (12月15日)
- 北海道開発局/大雪や悪天候で、道東道など15路線・44区間を通行止め(15日13時) (12月15日)
- 道東道/占冠IC~本別IC・足寄IC、大雪で通行止め(15日11時) (12月15日)
- 釧路開発建設部/道東道・本別IC~釧路別保IC、国道243号・244号など4路線9区間通行止め(15日10時30分) (12月15日)
- 網走開発建設部/十勝オホーツク道など、管内11路線23区間で通行止め実施(15日10時30分) (12月15日)
- 帯広開発建設部/国道236号・274号・273号・241号・帯広・広尾道、雪崩等で通行止め(15日7時30分) (12月15日)





