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2024年02月08日 16:26 / 動画
三菱ロジスネクストは2月8日・9日の2日間、「物流ソリューションフェア 2024in横浜」を同社の実証設備「Yokohama Hardtech Hub(三菱重工横浜製作所内)」で開催し、現在開発中の「SynX(シンクス)パレタイザ」を公開した。
<SynXパレタイザ>
このSynXパレタイザは、自動ピッキング作業のさらなる効率化を実現するもの。三菱重工が開発した自律化・知能化ソリューション「ΣSynX(シグマシンクス)」を搭載することで、何をどう掴み、どのようにパレットに積むかを自動的に計算、これにより荷物の「2個取り」も実装することができ、従来のパレタイザの2倍の処理能力を実現することも可能としている。
また設置にはアンカーボルトが不要な「アンカーレス工法」を採用しており、従来は10日が必要だった設置工事を2日で可能としているのも大きな特徴。パレタイザと床面の間に防振ゲルを接着して固定するため、原状復帰が可能な他、倉庫内のレイアウト変更や移設にも柔軟に対応することができる。さらに長期使用によって位置ずれが発生しても自動で検知可能なため、動作不可になる前に再調整することもできるなど、高い実用性を備えている。
ハードウェアは三菱重工製のビジョン架台とロボット架台、ロボットハンドに汎用品のセンサとアームで構成。今回の展示ではファナックのアームを採用していたが、構成の自由度が高いため、コスト面でも優れている。
フェア会場では、このパレタイザとAGV(無人搬送車)、AGF(無人フォークリフト)を連携させた自動ピッキングシステムのデモも実演。標準プラットフォームであるΣSynX(シグマシンクス)を活用したWCS(統合制御システム)によってAGF、AGV、パレタイザーを効率的に連携させ、ΣSynXが作成した最適な行動計画に基づいて機器を統合制御し、効率的に作業を進められた。
また、飲料の箱積を模したデモであったが、ロボットハンドは上から吸着すると同時に横からも吸着する構造とし、上からだけでは壊れやすい箱でも、スピーディに破損することなくパレットに積付けしているのが印象的であった。細部まで柔軟にカスタマイズ可能なのも、三菱重工グループの大きな強みといえるだろう。
この他、会場では、昨秋の物流展2023で注目を集めた新型無人フォークリフト「AGF-X」「DECCO」のデモも披露。AGF-Xは時速9キロという熟練オペレーターに匹敵する高速走行や高速旋回、また障害物を検知し回避する精度の高さをアピール。「DECCO」は1.8mと従来より3割狭い通路幅や、旋回性能などを実演し、多くの来場者の注目を集めていた。
「物流ソリューションフェア 2024in横浜」は、地域ごとの販売会社を通じて招待した顧客を対象に、全国主要都市を巡回して開催する内覧会。20年1月の幕張での開催以来、新型コロナの影響で中断していたため、4年ぶりの開催となった。2日間で約700名の来場を予定している。
会場内にはガソリン/バッテリーフォークリフトから各種安全装備、自動フォークリフト、ロボットパレタイザなど、同社が扱っている最新の物流機器を一堂に展示。さらにサプライヤー出展コーナーも設けられ、バッテリーやタイヤ、クリーナーなど関連アイテムも展示された他、外部講師を招いた物流ソリューションセミナーや各種デモや試乗体験も実施。熱心に見学する来場者も多く、賑わいを見せていた。
<フォークリフトなど各種機器を展示>
<会場内で開催された物流ソリューションセミナー>